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【命を脅かす膀胱炎!】猫が尿道閉塞になったので、恐ろしい症状・治療法・予防法・費用についてまとめてみる

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トントンが尿道閉塞になり、生死の境を彷徨いました。今回の症状は、オス猫ならどの猫でもいつなってもおかしくない症状で、気づくのが遅ければ命に関わる本当に恐ろしいものでした。
猫を飼っている人にぜひ知ってもらいたいので、詳しく書いていきます。

以前トントンは尿路結石で手術をしましたが、今回は結石とは別の原因でした。

昨日の朝から粗相が止まらず、気にかけてはいたところ、昨夜状況が一変しました。
今考えると、昨日の朝から明らかに様子がおかしかったのです。

7/4 7:00 繰り返す粗相

朝ゴハンの後から、数分おきに粗相を繰り返していました。
おしっこをしては数歩進み、またおしっこをする。
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最初はストレスかと思い、名前を呼んだり、撫でたりして機嫌をとってみましたが、しばらくすると、また粗相を繰り返します。
それでもおしっこは出ていたので大丈夫だろうと思い、仕事へ向かいました。

7/4 20:00 数滴のおしっこ

家に帰ると、あちこちに粗相があるかと思いきや、床に数滴おしっこ跡があるだけでした。トイレを見ても猫砂の小さな塊があるだけです。
とはいえ、ごはんをあげればガツガツ食べ、数滴のおしっこを繰り返します。
以前、かかりつけの先生から「おしっこが24時間出なかったら命に関わる」と言われていたので、きちんとおしっこが出ているかどうかはその都度確認していました。
今考えるとこの時に病院に連れて行くべきでした。

7/4 22:30 おしっこが出なくなり、嘔吐

お風呂から上がると、トントンが未消化のごはんを吐いていました。
しかも、おしっこのポーズをするものの一滴も出ません。これは危険なサインです。
もともと機敏に動く猫ではありませんでしたが、今日はいつも以上にノロノロ動いています。
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相当辛いのか目も潤んでいます。
あまりにも辛そうだったので、かかりつけの先生に電話で相談したところ、30分後に病院に来るようにとのこと。
先生ありがとう!

7/4 23:00 尿閉発覚もスタッフ不在で処置できず

動物病院へ連れて行き、早速体重を測られるトントン。
前回の退院時と同じく6.2kg。よかった、太ってない。
喜んだのも束の間、トントンのお腹を触った先生は渋い表情を浮かべています。
原因を調べるためにレントゲンを撮ることに。
時間外でスタッフがいないため、トントンを押さえるべくレントゲン室へ同行します。
横に寝かせて足を押さえ、暴れることもなくすんなり撮れました。
レントゲン写真を見ると、膀胱がおしっこでパンパンに膨らんでいます。
結石はないようですが、尿道に何かが詰まっているようです。
尿道に詰まっているものを膀胱へ押し込むべく、カテーテルを挿入することに。
スタッフがいないため、妻と私がトントンを押さえ、先生がカテーテルの挿入を試みます。
相当痛いのか、苦しそうな声で鳴き、暴れるトントン。すごい力です。
この時トントンの膀胱はパンパンなので、お腹に圧力をかけると膀胱破裂という大惨事になります。
が、お腹を触らないように足を押さえるのがかなり難しく、猫が動いてしまい、うまくカテーテルが入りません。
やはり素人が抑えるのでは治療が難しいため、夜間救急病院へ連れて行くよう促されました。
今夜中に処置をしなければ、危険な状態なのです。
尿道が完全に詰まって24時間で急性腎不全となり、死に直結します。
夜間救急病院なんて初めて連れて行くので、どれくらい混んでいるのか、どんな処置を受けられるのかわかりませんでしたが、今や他に選択肢はありません。

7/4 23:50 夜間救急病院で応急処置

タクシーで港北インターそばの夜間救急動物病院「DVMsどうぶつ医療センター横浜」へ向かいました。

駐車場には警備員がおり、立派な病院です。
昼間は高度医療を扱う病院として治療を行っているようです。
私たちのすぐ後にもタクシーが止まりました。かなり混んでそうです。
病院に入って早速受付を済ませます。
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かかりつけの先生が事前に電話を入れてくれていたおかげで、スムーズに受付けてもらえました。
院内には私たちの他に4組ほど待っていました。
動物を連れていない人たちは、入院中の動物を引き取りに来たようです。
待つこと40分、私たちの順番になりました。
30歳くらいの若い先生に症状を伝えます。
この病院は方針として、先入観を持たないように治療前に必ずレントゲンを撮るようです。
治療法は先程と同じで、カテーテルで尿道に詰まっているものを膀胱へ押し出します。猫が暴れた場合、鎮静剤を使用する(鎮静剤を使用する際はその旨を伝えるので、同意書にサインをする必要がある)と言われました。
処置に時間がかかっているようで、なかなか呼ばれません。
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しばらくして診察室に呼ばれると、なかなかカテーテルが入らない為鎮静剤を使いたいとのことでした。
同意書にサインをし、すぐに鎮静剤を使った処置をすることになりました。
今度こそ大丈夫だろうと思っていたのですが、しばらく待って先生に呼ばれ、やはり詰まりが取れないとの説明を受けます。
いろいろ薬を使って工夫しても取れなかったようです。
一時しのぎとして膀胱に針を刺し、そこから膀胱内の尿を抜くことで、しばらく時間稼ぎをするという処置になりました。
これで明日の午前中くらいまでは時間を稼げますが、依然尿道に異物は詰まったままです。
血液検査の結果、幸い懸念していた腎臓の数値は大丈夫でした。
腎不全を起こしていたら大変でしたが、詰まってすぐ連れて来ているのでどうにかセーフでした・・。
救急病院の先生からは、「かかりつけの先生とよく話し合ってほしいが、猫の尿道を切開する手術も考えたほうが良い」と言われました。
鎮静剤でフラフラのトントンを連れて、救急病院をあとにしました。
この時、午前1時30分。
明日も朝から動物病院へ連れていくため、会社を休むことを決めました。
前足に管を入れたままのトントン。
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翌日また鎮静剤や点滴を打つ場合使うからとの事で、管を通したまま一晩過ごします。

7/5 8:50 かかりつけの動物病院へ

閉塞した尿道を開通させるために、朝一で再びかかりつけの動物病院へ。
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病院へ向かっている途中、トントンの様子を心配した先生から電話がかかってきたので、これから病院へ連れていく旨を伝えました。
先生心配してくれてありがとう。助けてください!
救急病院で受けた処置の内容を記した報告書を先生に見せ、開通できなかったことを伝えます。
(救急病院では、治療の内容や血液検査結果のデータ、採尿した検体、レントゲン画像のCDなど全てお会計時に渡してもらえました)
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ここでの治療も前日同様カテーテルでの膀胱への押し込みです。
これがダメなら膀胱から尿を抜いて、尿圧を減らした状態で再度押し込み。
それも無理なら手術となりますが、手術自体、その後の暮らしなどリスクを伴うので、できれば手術は避けたいというのが先生の考えのようです。
治療には時間がかかるため、一般診療が終わった12時過ぎから処置を始めるとのことでした。

7/5 12:00 処置開始

本日2度目、動物病院へ向かいます。病院へ着くと早速処置開始です。
病院スタッフの方と一緒にトントンを押さえ、再びカテーテル挿入を試みます。
苦しそうに鳴き、暴れるトントンを動かないように押さえるのは、本当に心苦しいです。もっと早く連れてきていれば、こんなことにはならなかったのに。
何度か挿入を試みますが、やはり入りません。
仕方がないので鎮静剤を使い、針を膀胱に刺して尿を抜いてから、再びカテーテルを挿入する事になりました。
ここから先は先生とスタッフの方に任せて待合室で待つことに。
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待つこと40分。処置室から現れた先生のOKサイン。なんとか詰まった異物を押し込めたようです。ありがとう先生!!さすがです!
その後、膀胱内の洗浄と点滴を受けたトントン。
異物が詰まっていた尿道が腫れている為、ステロイドや抗生剤も投与されたようです。
麻酔が切れる18時に迎えに行くことに。
救急病院で出来なかった処置が何故できたのか先生に尋ねたところ、ずばり「根気です」との回答が返ってきました。
人気病院の理由はこんなところにもあるのでしょう。

7/5 18:00 おかえりトントン

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トントン無事に帰宅しました。
先生曰く、2日連続で鎮静を打たれ、とにかく疲れているからしっかり寝かせてあげて欲しいとの事でしたが、治療のストレスなのか、目はぐりんぐりんのまま、眠る気配がありません。
なかなかリラックスできないようです。
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かわいそうなトントン。
それでもごはんは欲しい、いやしいトントン。
今日は絶食なので、ルスモを撤去してグリーンを置いたら、グリーンの前で待機しています。
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翌朝からごはんとお水解禁、ステロイドの服用開始です。
またいつ詰まるかわからないので、いままで以上にトイレの管理をしっかりやっていかないとです。

尿道閉塞の予防と特発性膀胱炎

残念ながら、猫の突発性尿道閉塞には根本的な予防法はないそうです。今回この原因となったのが、特発性膀胱炎です。
通常犬やメス猫がかかるのは細菌感染を原因とする膀胱炎で、これに該当しない原因がわからない膀胱炎を特発性膀胱炎と呼ぶそうです。
尿道が長く細いオス猫には一生そのリスクがついて回ります。
今回詰まったのは、結石や結晶ではなく、常に膀胱内で生成され続けている浮遊物の集まりでした。
つまり、結石、結晶対策で、専用のごはんをあげ、お水をたくさんあげて定期的に尿検査を行い、きっちり管理していても、全く防ぎようがないものだったのです。
そして、これはどの猫にも該当するものです。
今回痛感したことは、少しでもおかしいと思ったら 、すぐに病院へ連れて行くことです。着目ポイントは以下の3点です。

  • おしっこの回数が多い
  • おしっこの時間が長い
  • おしっこの量が少ない

結石をやっているトントンは、普段から大量の水を飲ませている為頻尿気味で、なかなか判断が難しいところでしたが、 少しでも普段と様子が違ったら病院へ連れていった方が良いという事ですね。
トイレチェックはマメに行う事がとても大事です。

ごはんでの予防について

結石の手術後のトントンは、先生の指示のもと、結石、結晶ができるのを防ぐ為、ロイヤルカナンのPHコントロール2を食べていました。

手術前まではヒルズのサイエンスダイエット シニアライトを食べていました。

PHコントロールのシリーズでオルファクトリーというのがあり、そちらの方が今回のような膀胱内の浮遊物の生成を抑える効力があるとの事で、今日からオルファクトリーに変更しました。

しかも、オルファクトリーの方がカロリーも低く、おいしいとの事。
いやしいトントンは何でもガツガツ食べますが、グルメな猫にもとてもおすすめのようです。

尿道閉塞の費用

7/4 かかりつけの病院 ¥5,400

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7/5 夜間救急病院 ¥38,826

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7/5 かかりつけの病院 ¥25,970

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まとめ

尿道閉塞でおしっこが出なくなったら、本当に命に関わります。
そしておしっこが出なくなる瞬間は突然やってきます。
今回はなんとか助かりましたが、今後は少しでも異変を感じたら早めに病院へ連れて行くようにしたいと思います。