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【実録】猫が尿管結石になって手術を受けたので、症状・治療法・手術費用・退院後の生活・食事・予防法をまとめてみる

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我が家の飼い猫トントンが尿路結石になって手術を受けてきたので、症状・治療法・手術費用・予防法をまとめてみます。
ちなみに、今では退院して暇そうに生活しています。
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猫の結石の症状

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猫の異変に気付いたのは、日曜日の朝でした。
トイレへの行き来を数十回も繰り返しているのに、トイレにはおしっこもうんちもありません。
うんちは、妻が作成した「うんちカレンダー」に、いつ・どれくらい、うんちをしたかを記入しているので確認してみると、昨日もしていませんでした。
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これは便秘だろうと思い、腸マッサージを施しましたが、効果がありません。
昔から便秘気味だったので、この時は便秘だろうと信じて疑いませんでした。
あまりにもトイレの行き来を繰り返して辛そうなので、動物病院へ相談に行く事にしました。
トントンは力が強すぎてキャリーに入れるのが大変なので、動物病院へは一旦人間だけで行く事に。
先生に症状を伝えると、詰まっているのがうんちかおしっこかは、実際に診てみないとわからないと言われ、一応、便秘に効くという繊維質多めのゴハンをもらって帰りました。
病院でもらったゴハンをあげても、トイレへの往復を繰り返すばかりで回復の兆しをみせません。このままでは何も解決しないので、トントンを病院へ連れて行くことを決意しました。

結石の治療と恐ろしさ

レントゲンを撮ってもらうと、膀胱内に結石が7個あることがわかり、膀胱はおしっこでパンパンになっていました。ひとまず、カテーテルを使っておしっこを吸い出してもらいます。幸いにも尿道には石が詰まっていませんでした。先生からも、絶対に尿道に石が詰まっていると思ったと言われました。
でもいつ詰まってもおかしくない状況である事は確かです。
ちなみに、石が尿道に詰まって完全におしっこが出なくなると、24時間で急性腎不全になり死に至ります。とてもおそろしいです。
採取したおしっこの成分を調べ、結晶(結石の成分)が出て来れば、その結石が溶けるかどうかがわかります。溶ける結石の場合は食事療法で治る場合もあるそうです。
分析の結果、残念ながら結晶は出てこなかったので、やはり手術で石を取り出すしかないようです。
一週間後の手術を決め、それまでは特に注意して、おしっこが出ているかどうかを確認する日々です。

結石の種類と尿pH

猫の結石には大きく分けて2種類あります。
ストルバイトとシュウ酸カルシウムです。

ストルバイト

猫の尿路結石でもっとも多いのが、ストルバイトです。
尿pHが高い(アルカリ性に近い)時に結晶化しやすくなります。
幸いにもストルバイトは食事療法で溶かすことができます。

シュウ酸カルシウム

シュウ酸カルシウムはストルバイトとは逆に尿pHが低い(酸性に近い)時に結晶化しやすくなります。
ストルバイトとは違って食事療法では溶かすことができません。
とにかく結晶化しないように水をたくさん飲ませて、どんどんおしっこさせて、結晶ができる前に外へ出すしかないようです。
尿pHが高すぎても、低すぎても石になってしまうので、うまくコントロールしてあげる必要があります。

結石の手術と術前検査

猫の結石手術には2種類あって、お腹を切って石を取り出すオーソドックスな方法と腹腔鏡手術です。腹腔鏡手術の方が傷も小さく、手術後に長期入院する必要もないようだったのですが、かかりつけの動物病院には設備がなかったので、開腹手術で摘出することになりました。
手術前日に術前検査を受ける必要があります。
術前検査では血液検査などで病気の有無等を確認し、猫が手術に耐えられるかを調べます。術前検査の前日夜8時まではゴハンをあげて良いのですが、以降は検査が終わるまでゴハンをあげてはいけません。ゴハン大好きなトントンには辛い時間です。
水は検査当日の朝7時まであげてOKです!あまり飲みませんが…
術前検査が終わる頃に検査結果を聞きにいくと、衝撃の事実が。
なんと、前日の20時に食べた夜ゴハンが朝の時点ではお腹に残っていたとの事。やむを得ず昼過ぎに再度レントゲンを撮り直したそうです。
どうやら20時のごはんを与えすぎたようでした・・。
先生からは本当に昨夜の8時以降にゴハンをあげていないかを疑われてしまいました。
消化できていないくせにしつこくごはんを欲しがるトントンのいやしさには若干呆れてしまいますね。
血液検査の結果、白血球の数値が低かったので、術後に肺炎などの感染症にかかる可能性がある、全身麻酔に対するアレルギーで1000頭に1頭が死んでしまう可能性があるということを伝えられました。その他の数値も膀胱内に石があるため炎症を起こしており、正常値を上回る項目がありましたが、その点は心配することもないようです。
とはいえ、このままにしておくわけにはいかないので、リスクを承知した上で手術をお願いすることにしました。
手術の際、開腹用にお腹の毛と、点滴用に右前足の毛を剃られることもこのタイミングで伝えられました。
手術は特に立会いなどもなく、術後の結果のみ電話で連絡がありました。
無事に手術が終了し、結石が7個取れたことを聞いて心底ほっとしました。

術後の生活(しばらくはカラー)

本当は手術した日の夜にお見舞いに行きたかったのですが、予定があったため翌日の昼過ぎにお見舞いに行きました。
お見舞いに行くと、ケージの中に、エリザベスカラーをつけられたトントンの姿が!
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針で縫われた傷口を舐めてしまうと、傷口が開いてしまう恐れがあるとのことで、ゴハンの時以外は常にカラーをつけられているようです。ケージの中のトントンは少しおびえているようでした。
術後に再度、血液検査をした結果、懸念していた白血球も正常な数値に戻っていました。食欲もあり、頻尿ながらおしっこもしているようで、術後の経過は順調とのことでした。
翌々日にお見舞いに行くと、ケージ内でもくつろぎ始めているようなので、術後5日目に退院できることになりました。
手術後の入院期間は5から7日と言われていましたが、無事に5日で退院できてよかったです。

結石の手術費用

気になる結石の手術費用は、前日の検査、入院費、入院中の治療や検査も含めて約15万円でした!
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こういう時にはペット保険に入っていてよかったと心底思います。
トントンが入っている保険は「ペッツベスト」という保険です。
ペット保険のペッツベスト
月1500円程度の保険料で治療費の2割程度の負担で済む保険です(実際は免責金額が2万円なので、(15万−2万)× 0.8=10.4万円が保険金として支払われます)。
加齢に対する保険料のアップが緩やかなのと、補償の回数が無制限だった事が決め手で加入した保険です。

退院後の生活、食事、予防方法

退院後のトントンは傷口を舐めることを防ぐため、ゴハンの時以外、常にカラーをつけることを余儀なくされています。しかも、カラーを付けていると思わぬ事故の可能性もある為、ゲージなどで行動範囲を限る必要があります。
我が家にはゲージがないので、6畳の部屋を一室まるまるトントン用にし、引っかからない様室内の物を必要最低限にして、引き戸を全て突っ張り棒で閉鎖しました。
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抜糸は術後2週間程度で行うので、それまでは我慢です。
猫によってはカラーをつけるストレスから、病気になってしまうこともあるとのことなので、外出時と寝る時以外はカラーを外して、しっかり見張っていくことにしました。
ただ、トントンは毛づくろいが大好きなため、傷口を舐めていないかわかりずらく、なかなか目を離せません。
カラーを外したては尚更必死に毛づくろいます。
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小一時間くらいは毛づくろいます。 猫はやっぱりキレイ好きですね。
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退院後4日目くらいでカラーを外してもあまり傷口を気にする様子がなくなり、退院後ちょうど一週間でカラーを完全に外してあげました。

術後も続く頻尿

相変わらず頻尿も続いていますが、手術前よりは明らかに症状が回復しているように見えます。まだ多いですがトイレへ回数もだいぶ減り、術前一週間は辛そうにあちこち家中におしっこをしていたのが、きちんとトイレでするようになりました。
一度にする量も少しずつ増えてきています。
先生によると、術後1.2ヶ月は頻尿、血尿が続くそうです。頑張れトントン!

 術後の食事(キャットフード)と薬

退院後は結石の成分結果が出るまではロイヤルカナンのPHコントロールを食べさせています。このゴハンであれば、結石の成分がどんなものであろうと悪影響はないそうです。
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薬は2種類。抗生剤と腫れどめを飲ませています。腫れどめはごはんと一緒に食べてくれるのですが、抗生剤は口に入ると気付いて吐き出すので、毎朝2人ががりで必死に飲ませています。
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検査結果 ※16/5/31追記

検査の結果、トントンの結石はシュウ酸カルシウムだと判明したのですが、しばらくはpHコントロール2を与えるように先生に言われていました。
最近になって、pHコントロール2よりもオルファクトリーの方が美味しくて、効果もあると言われたので、今のごはんがなくなったらオルファクトリーに変えようと思います。

まとめ

結果的に手術で結石を取ることができましたが、やっぱり結石になる前に気づいてあげられなかったのが残念です。
普通であれば結石になる前に(結晶のうちに)、頻尿や血尿の症状で気づくようです。
おしっこの時間がやや長いな、とは思っていましたが頻尿の症状は全くなかった為気づく事ができずかわいそうな事をしてしまいました。
現状、結石は無くなりましたが、再発しては意味がないので、食事療法とこまめな検査でしっかり治療していきたいです!
次回は退院後の抜糸編を書いていきます!